2 51年度予算と運賃法等の改正
以上が再建対策要綱の内容であるが,政府はこの趣旨を踏まえ,51年度に過去債務の棚上げ,工事費負担の軽減,地方交通線の運営費の一部補助など3,594億円(対前年度911億円増)もの助成を行うこととするとともに,第77回国会に「国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案」を提出した。同法案は,継続審査となり,第78回国会において成立した。その内容は次のとおりである
@ 51年11月6日(当初案では6月1日)から運賃を概ね50%増改定する。
A 国鉄に対して経営改善計画の作成・実施を義務付けることとともに,運輸大臣が健全な経営の確保のために必要な指示をすることができる。
B 過去債務の棚上げ(債務の償還資金の無利子貸付け及び利子補給)を行う。
C 国鉄は,過去債務棚上げに係る政府よりの貸付金の償還が完了するまでの間,特定債務整理特別勘定を設けて区分計理を行う。
D 国鉄は,その欠損の補てんに充てるため,運輸大臣の承認を受けて,資本積立金を減額して整理することができる。
E 政府は,国鉄経営の健全性の確立のため必要があると認めるときは,財政上の措置その他の措置を講ずるよう特別の配慮をする。
F 以上の措置に伴い,日本国有鉄道財政再建促進特別措置法は廃止する。
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