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2 交通安全対策の推進
以上のような交通事故の発生状況及びその特徴を適確に把握し,適切な安全対策を講じて事故の防止を図ることは何よりも急務である。このため,運輸省は,たえず,安全確保を運輸サービスの基本と認識し各般の施策の推進に努めているところである。
各交通機関ごとに50年度に講じた具体的な施策はそれぞれ各論関係の章に記述するとおりであり,航路,港湾及び空港等交通環境の整備をはじめ,水先法,踏切道改良促進法等交通安全関係法令の改正,安全運行(航)確保のための取締りと適切な指導の実施,車両,船舶,航空機の安全検査の実施等各種の対策を総合的な観点から実施した。
さらに,51年度についても,総額約1,703億円と50年度を30%上回る安全対策関係予算を計上しており,2-(2)-アで述べる第二次交通安全基本計画の初年度分としての施策の推進を図り,事故の一層の防止に努めることとする。
ア 第二次交通安全基本計画の推進
(ア) 道路交通
(イ) 鉄軌道交通
(ウ) 海上交通
(エ) 航空交通
イ 過密への対応
国土の開発に関する諸計画の進展に伴なって,人口,産業等の地域分散は徐々に進みつつあるが,いわゆる大都市の過度集中状況は依然として続いており,これは交通の状況にも如実に表われている。たとえば,東京国際空港に離着陸する航空機は約1分45秒に1機であり,また東京駅にはラッシュ時に1分間に約15本の割合で電車が出入りしており,さらに東京湾に入湾するため浦賀水道を通過する船舶は約1分45秒に1隻を数える状態である こうした過密状況に加えて,1-(2)-アで述べたように,各交通機関は著しく高速化・大型化しており,それ故に事故の防止に対する要請は一層高まっているといえる。 安全対策の推進は,直接増収に結びつかない場合が多く,今後の安定成長下における運輸事業にとっては大きな負担となろうが,その重要性に鑑み,従来にも増した企業努力が望まれる。 一方交通空間が限定されている状態で高まる交通需要に対応して単に追随的な安全対策を講じていくということは,極めて多大な努力と費用が要求されることになる。 したがってこのような事態を避けるため,今後は,発生する交通量に応じて,事前に産業立地等の地域計画との十分な斉合性を図りつつ,長期的な観点からの交通安全に対する配慮を払っていかなければならない。一方,現在の過密状況を打開するために,たとえば,ふくそうした内湾へ入湾する大型の原油タンカー等を,湾外シーバースで受け,パイプライン輸送に代替する等の抜本的な対策の推進もまた必要である。 なお,ふくそう海域等における外国船舶の海難の多発の状況に鑑み,これら船舶に対し,海上交通安全関係法令の周知,水先人の乗船の勧奨等事故防止に努めている
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