2 財産の状態


  50年度における国鉄の財産の状態は, 〔I−(I)−14表〕のとおりであり,資産総額は5兆9,378億円となり,前年度に比べて,9.4%の増加となった。このうち,88.8%を占める固定資産は,前年度に比べて10.3%増の5兆2,715億円となったが,その主なものは,線路設備,車両,建物及び機器等の営業用資産並びに建設仮勘定の増加によるものである。

  負債及び資本関係では,その大宗を占める長期負債が前年度比で1兆2,412億円,122.4%増となったが,これは長期借入金の増加9,494億円,鉄道債券2,918億円の増加によるものである。
  短期負債は,前年度比672億円21.2%増となったが,これは退職勧奨年令の引上げに伴う措置により,51年度に退職手当の支払いに充てる額その他の未払金が増加したこと等のためである。
  その他負債は,前年度比139億円16.9%増となったがこれは,公団連絡施設及び受託施設の受入れに伴う見返勘定等の増加によるものである。
  資本金は,4,560億円に増加したが,これは,国鉄財政再建に資するため,一般会計から700億円の政府出資があったためである。
  資本積立金は,受増施設の受入れに伴う受増施設積立金360億円の増加により,従前の再評価積立金と合わせて1兆3,837億円となり,前年度比で2.7%増加した。
  しかし,50年度に9,147億円の純損失を生じたことにより,50年度末の繰越欠損金は3兆1,610億円となった。その結果,資本合計で1兆3,213億円の赤字を計上することとなった。


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