1 現況


  自動車輸送の合理化,効率化を図り,あわせて大都市の交通混雑の緩和に資するため,自動車ターミナルの整備が進められている。
  自動車ターミナルの現況は 〔I−(II)−17表〕のとおりであるが,バスターミナル,トラックターミナルともに専用ターミナルが大部分占めており,その規模は小規模のものが多く,5バース以下のものが全体の64.5%となっている。

(1) バスターミナル

  バスターミナルは,バス旅客需要の大きい大都市の都心部での整備が遅れているが,これはバスターミナルが都心部の適地にかなりの規模の用地を確保する必要があること及びその建設には多額の用地費と建設費を要するうえ,将来の需要増大を考慮しての先行投資となること等の理由によるものである。しかしながら,輸送力の確保,旅客の利便と安全の確保を図るためには,今後いっそう整備を推進していく必要がある。
  なお,近時バスターミナルの緊要性が各方面から認識されつつあり,各地において地方公共同体等を中心にバスターミナルの建設構想が検討されており,今後バスターミナルの整備は漸次進展していくものと思われる。

(2) トラックターミナル

  昭和50年度においては,岡山県トラックターミナル,51年度に入り,熊本トラックターミナル及び郡山トラックターミナルが供用を開始した。
  トラック輸送の合理化と都市交通の円滑化を図るため,都市周辺部において一般ターミナルの整備が急速に進められているが,なかでも京浜トラックターミナル,板橋トラックターミナル,東大阪トラックターミナル及び北大阪トラックターミナルは,大規模トラックターミナルとして大きな役割を果たしている。さらに近年都市間幹線道路,流通業務団地等の整備とあいまってトラックターミナルの設置が大都市のみならず,地方都市についても計画され逐次実施に移されている。
  なお,自動車ターミナルの整備にあたっては,環境保全の面からも十分配慮していく必要がある。


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