2 造船関連工業の生産


  昭和50年の造船関連工業の生産は 〔II−(IV)−8表〕にみるとおり総額8,407億円とほぼ前年並の実績を上げた。これは大型タンカー向けの機器の受注は造船不況の影響を受けて激減したものの,過去に受注した手持工事を消比することができたことに加え,貨物船,ばら積船等の中型船の受注が順調に行われたことを反映して操業度の維持を図ることができたためと思われる。

  製品別の生産額をみると,船舶の推進用機関および補助機械駆動用の原動機として用いられる機関の生産は,3,168億円と全体の37.7%に相当する実績を上げ対前年比11.0%の増加をみた。機関のうちタービンは主として大型タンカーにとう載されるものであるが,対前年比で8.6%の増加となっている。また,ディーゼル機関は漁船用の小型機関を除く中・大型機関が増加したため対前年比18.6%の増加となった。
  補助機械はポンプ,空気圧縮機・冷凍機等の空気機械,電動機・発電機等の電気機械,巻上機・揚錨機等の甲板機械を含んでいるが,その中で,特にタンカーに多くとう載されるポンプおよび漁船に多くとう載されている冷凍機が減少した反面,貨物船に多くとう載される甲板機械が増加したため,補助機械全体ではほぼ前年並みの実績となった。
  ぎ装品は航海用機器,照明器具等の電気器具,救命設備,バルブ,機関部品等を含んでいるが,生産額は3,538億円で前年に比べわずかに減少した。中ではバルブの減少が目立っている。


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