3 造船関連工業製品の輸出入
50年の造船関連工業製品の輸出は 〔II−(IV)−9表〕のとおりである。これは,生産額と比較すると,単体輸出で10.6%,間接輸出(輸出船とう載分)も含めると61.7%が輸出されたことになる。50年中に単体輸出のあった企業は124社で,そのうち,大企業(資本金10億円以上)が32社(26%),508億円(57%)である。製品別では,ディーゼル機関がなお1位であるが,輸出全体に占める構成比では18.8%(前年は22.1%)に減少した。その他では,海上コンテナ,内燃機関部品,船外機等が多く輸出されている。地域別では,近年最大の市場であった東南アジアが,景気不振で前年の実績を下回った。一方,ヨーロッパ,北米向けは前年に引き続き順調に増加しており,この結果,ヨーロッパが東南アジアを抜いて最大の市場となった。
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50年の造船関連工業製品の輸入は326億円で,前年に比べ22.1%増と2年連続の増加を示した。これは,我が国の生産額に対して3.9%に相当している。近年の輸入増加の原因としては,石油ショック後に,一時的な供給不足に伴い海外からの調達が増加したこと,及び,外国船主が我が国へ新造船を発注する際,外国製品のとう載を要求する例が増加したこと等が考えられる。製品別では,内燃機関,航海計器,甲板機械等が多く,国別では,アメリカ,イギリス,ノルウェー等から多く輸入されている。また,前年同様,輸入額の約80%に相当する機器は,輸出船にとう載されて輸出されている。
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