2 海洋開発機器の開発の現状
石油・天然ガス資源の開発は大陸棚からより深い海域へと移行し,大陸斜面における開発に着手されようとしている。このため運輸省では,水深1,000メートル程度のこのような海域において位置を保持することのできる自動位置保持装置付の大深度石油掘削船の開発を51年度から5年計画で開発することとしている。
浮遊式海洋構造物は,現在,資源開発,海洋土木,観光などの分野で利用されているが,今後は,海洋プラント,沖合港湾等に広く応用されることが予想される。このため,48年度から3年計画で,今後出現が予想される浮遊式海洋構造物の設計手法等について研究が行われた。また,船舶技術研究所においても,係留技術等の基礎的研究が行われており,特に49年度から4年計画で建設される大陸棚再現水槽は今後の海洋開発機器の研究を一層充実させるものと考えられる。
(3) 廃棄物の海上集中処理と副生資源の有効利用システムの研究
公害,用地難等から,都市廃棄物を海上に設けられた工場で処理しようという「廃棄物集中処理と副生資源の有効利用システムの研究」が,49年度から4年計画で,環境,運輸,通産,厚生の4省庁の協力のもとに行われており,運輸省では,海洋構造物の研究を中心に研究を実施している。
海洋開発事業の振興を図るため,海洋機器の開発,建造に対して運輸省では45年度から日本開発銀行の融資の推薦を行っている。
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