4 外国船舶の安全対策
我が国の各港に入港する外国船舶の増加に伴い,周辺海域における外国船舶の衝突,乗揚げ等の海難は多発する傾向にある。これらの外国船舶の海難は,我が国の周辺海域の気象・海象状況,航路事情,海上交通安全関係法令に不案内であること等に起因するものが多い。
このため海上保安庁は,これまで約13万部の英文等のパンフレット,リーフレットを作成し代理店を通じて,あるいは立入検査等の際に外国船舶に配布して海上交通安全関係法令等の周知に努めている。また,前述した全国海難防止強調運動において,外国船舶の安全運航指導を重点項目の一つとして取り上げ,各地で753隻の外国船舶を集中的に指導した。更に,浦賀水道等船舶交通のふくそうする海域においては,航法の遵守を現場指導し,また,我が国の港湾,航路事情等に不案内な外国船舶等に対しては,水先人を乗船させるよう勧奨するなど事故防止に努めている。
このほか,外国船舶の事故防止を徹底するため,特定港に入港した外国船舶及びこれらの用船会社,運航会社,代理店等に対し気象・海象情報の入手状況,航路事情のは握の状況,海上交通安全関係法令の理解及び周知の状況等について実態調査を実施した。
今後これらを基礎資料として,特定港ごとに港長と外国船舶取扱会社等との間に外国船舶安全対策連絡協議会の設置を図るなど,更に外国船舶の安全対策を推進することとしている。
更に,外国船舶の運航に従事する船員の資格及び技能の維持向上を図るため,「IMCOにおいて進められている船員の資格,訓練及び当直の基準に関する条約草案の作成に積極的に取り組んでいくこととしている。
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