2 賃金の動向


  51年の賃金(現金給与総額)の伸びは 〔2−3−5図〕のとおり,51年春の賃金交渉における賃上げ率(名目)が前年に続き1桁台のなだらかなものとなったことから,全産業で前年比12.8%増と前年の伸び(14.8%増)を下回る緩やかな上昇となった。しかし,実質賃金では消費者物価が比較的落ち着いた動きを示したことから前年比3.2%増と堅調な伸びとなった。運輸業についてみると,名目賃金では51年は前年比14.3%増となり全産業と同様に前年(15.3%増)を下回る伸びであったが,前年に引き続き全産業をやや上回った。

  一方,賃金水準をみると 〔2−3−6表〕のと曲り,運輸業は全産業及び製造業に比べて高く,51年は全産業の1.12倍となっている。これは全産業及び製造業に比べ労働時間数が多いこと,雇用者の平均年齢が高く平均勤続年数が長いことによるほか,専門的技能を必要とする運輸業の特殊性,労働環境の特殊性等によるものである。


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