3 今後の対応


  我が国は長大な海岸線を有する世界で有数の海洋国であり,その海洋環境の保全のためには国際的に十分有効な海洋汚染防止基準等の設定がなされることが必要であることはもちろんである。しかしながら,一方では,国際貿易等の基本的手段である円滑な国際海運活動が一部沿岸国の過剰な介入によって妨げられることのないよう配慮することも必要である。
  したがって,今後海洋法会議に臨むに当たっては,国際貿易等円滑な国際交流に果たす海運の役割を十分に認識し,また適切な海洋環境の保全のための諸施策をも考慮し,これら相反する2つの命題の調和点を見出すよう努める必要がある。また会議の動向,国内世論の方向等を見極めつつ,来たるべき海洋新秩序の法典となる海洋法条約に,我が国の海洋国かつ海運国たる立場を十分反映させるよう慎重に対処していく必要がある。


表紙へ戻る 目次へ戻る 前へ戻る