3 長距離フェリーの現状と今後


  長距離フェリーは,51年度には初めて,休止中であった2航路の廃止が行われたほか,新たに1航路が休止された。その結果,52年4月1日現在15事業者によって23航路が運営されており,これに就航している船舶は52隻,40万2,300総トンとなっている。
  51年度の輸送実績は 〔II−(I)−22表〕のとおり,自動車航送は前年度に引き続き乗用車が減少し,トラックが増加した結果,自動車航送全体としては,前年度比で台数,台キロとも若干増加した。この中でトラックの無人車航送は特に増加して,トラック航送台数の半分近くを占めるに至った。また,旅客輸送については,減少率が小幅になったものの前年度に引き続き減少した。

  収支状況を長距離フェリー事業12事業者についてみると,償却後経常損益で9事業者が改善され,3事業者が悪化した結果,全体では欠損額が大幅に減り,収支率は79.3%から85.1%に改善された。しかし,利益を計上しているのは,償却後経常損益で2事業者だけであり,さらに償却前経常損益でみても5事業者と半数に満たない。この結果12事業者のうち11事業者が繰越欠損を抱えており,その総額は456億円(15事業者全体では535億円)にのぼっている。また,51年度1年間の営業収益を越える繰越欠損を抱えているのが4事業者に達している。
  以上のように長距離フェリーは,依然として苦しい経営を強いられているが,今後多少の曲折を経ながら徐々に安定成長経済に適応していくものと予想される。また,長距離フェリーは海陸協同一貫輸送における幹線輸送を分担して,物流近代化の一翼を担うとともに,交通公害の防止,荷傷みの減少等のメリットを発揮しており,今後ロールオン・ロールオフ船,コンテナ船等の内航近代化船とともに各々の船種の特性を十分発揮しながら海路利用の積極的な拡大,発展を図っていくことが望まれる。


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