3 失業情勢
外航海運部門における日本船の国際競争力の低下,内航海運部門における荷動き量の停滞や輸送需要に対する船舶の供給超過,漁業部門における国際規制の強化等,我が国の海上産業を取り巻く環境は厳しいものとなっている。こうした情勢の下で,倒産,整理等を余儀なくされた海運,水産企業は,51年において,61社にのぼり,約1,500名の船員が解雇,希望退職等の雇用不安を受けた。
こうした船員雇用不安を反映して,失業情勢は一段と悪化し,船員職業安定所における船員失業保険金受給者実数は,72,144人で前年度比15.2%増となった。また,海運,水産企業の経営悪化及びこれに伴う入職抑制によって,失業船員の再就職は容易ではなく,失業保険金の所定給付日数が満了した者は,月平均550人を数えた。
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