3 航路標識


  舶船交通の安全を確保し,船舶の運航能率の増進を図るため,海上保安庁は,船舶の位置の確認,危険な障害物の所在のは握に必要な指標である航路標識の整備充実に努めている。
  51年度には,東北デッカチェーン及び東京湾海上交通情報機構の整備を実施したほか,沿岸標識,港湾標識等107航路標識を新設するとともに,標識機能の改善等331件の改良改修を行った。一方,港湾情勢等の変化に伴い,45の航路標識を廃止したので,51年度末において海上保安庁が管理している航路標識は4,676となった。
  近年,最新の科学技術を導入した高精度の電波標識に対する需要が高く,これらの代表的なものとして,海上保安庁は,オメガシステム及びデッカシステムの整備を進めている。オメガシステムは,全地球表面を8局でカバーするもので,我が国では1局を長崎県上対馬町に設置している。一方,位置測定精度が高い中・近距離航行援助システムであるデッカチューンの整備については,北海道,北九州に引き続き,51年度には,東北デッカチェーンを完成させるとともに,関東デッカチェーンの整備に着手した。


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