3 航空事故対策
52年1月のアンカレジでの事故及び9月のクアラルンプールでの事故原因については,それぞれ米国及びマレーシア政府によって現在調査が実施されているが,前者の事故に関して機長の遺体からアルコールが検出されたことの重大性に鑑み,運輸省は,定期航空運送事業者に対し,航空機乗組員の出発前の打合せ時に,飲酒等による心身状態を客観的に確認できるようアルコール感知器の設置を行わせるとともに,乗務規律の確立について強力に指導を行った。また,後者の事故に関しては,それが空港への進入中に発生していることから,かねて定期航空会社が計画していた対地接近警報装置の有効性が再認識されたので,運輸省は,その装備の促進を図らせるため,各定期航空会社に対し,装備完了時期をほぼ一年繰り上げ,53年9月末までとするよう指導した。
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