(2) 四半期別にみた旅客輸送の動向


ア 国内旅客輸送

  一般に旅客輸送は実質個人消費の動きと深い関係をもつが,実質個人消費支出(実質GNPの過半を占める)は,51年度に不調であった勤労者世帯で増加したものの,逆に51年度好調であった一般世帯(商店主,法人経営者等)で減少したことから,前年度比3.7%増と前年度の伸び率(4.4%)を下回り,実質GNPの伸び率(5.5%)よりかなり低い伸びとなった。
  このように実質個人消費支出が緩やかな伸びを示す中で,52年度の国内旅客輸送量は,輸送人キロで前年度比0.2%増と横ばいであった。これをさらに四半期別にみると, 〔1−1−9図〕, 〔1−1−10図〕のとおり,52年1〜3月期,4〜6月期と,国内旅客輸送人キロは2期連続して落ち込んだ。これは,1〜3周期には,国鉄が51年11月の運賃改定や雪害等の影響から大きく落ち込み,また4〜6月期には,乗用車が落ち込んだことによる。7〜9月期に入ると実質個人消費支出が横ばいに推移したものの,国内旅客輸送人キロはわずかに増加に転じ,10〜12月期も同様の傾向が続いた。53年1〜3月期に入ると,実質個人消費支出が,前年来の消費者物価の一層の落ち著きもあって大きく伸びるなど,景気が持ち直したこともあり,国内旅客輸送人キロは大幅に増加した。

  年度を通してみると,国鉄は52年度前半は定期外旅客の落ち込みから減少を続けたが,後半は底固い動きを示した。パス,航空はおおむね堅調に推移し,人キロの前年度比でみて,それぞれ6.0%増,17.5%増となった。

イ 国際旅客輸送

  日本人海外旅行著数の動向を四半期別にみると, 〔1−1−9図〕のとおり,51年度中順調に推移した後,52年4〜6月期は実質個人消費が緩やかに伸びた中で前期比42%の増加となった。その後,7〜9月期には減少したが,年末から53年1〜3月期には堅調に推移するなど,52度全体では前年度比7.5%増となった。
  入国外客数の動向を四半期別にみると,51年度中の堅調な伸びを受け,4〜6月期は前期比で高い伸びを示した。7〜9月期には,世界景気の停滞感が広まる中で入国外客数も減少し,年末には持ち直したものの,53年に入ると円高の影響もあって再び減少に転じるなど,52年度全体では前年度比11.3%増となった。


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