3 開港と今後の課題


  開港日の翌日5月21日から国際線の定期航空会社(日本企業2社外国企業32社)は順次新空港に移行し,現在1日おおむね150便から160便の発着が行われている。また,航空旅客の利便を図るため,乗継便として国内線も順次運航され,6月8日からは新空港と千歳,大阪,福岡の各空港との間に1日2便が,8月1日からは名古屋との間に1日1便が運航されている。8月1か月間に新空港を利用した航空旅客は73万人,1日平均2万3,600人となっている。
  新空港は当面4,000メートル滑走路とこれに付帯する誘導路,エプロン,ターミナルビル等をもって供用されたのであるが,今後とも増大する航空輸送需要に応えていくには,引き続き空港施設の整備・拡充を図る必要がある。
  さらに,航空機燃料供給能力を増加させるとともに,安定的供給を確保するためには,早期に千葉港頭から新空港までのパイプラインを完成させなければならない。
  また,開港に伴い現実化してきた航空機騒音問題については,特に地元から要望の強い民家防音工事の拡充強化をはじめとして,きめの細かい対策を講じていく必要がある。
  ここに新東京国際空港は,開港という夜明けを迎えたわけであるが,最終目的地に到達したわけではない。その前途は決して平担なものではないが,これまで10年以上にわたって学びとった教訓を生かし,新空港が地域社会と調和のとれた空港として育っていくよう,これからの課題解決にあたって最善の努力を続けていかなければならない。


表紙へ戻る 目次へ戻る 前へ戻る