(2) 国際海峡における通航制度
領海幅員の12海里への拡張に伴い,従来公海部分が存していた海峡の多くが領海で覆われることとなるため,国際交通の要衝たる国際海峡における船舶,航空機の通航制度をいかにするかが重要な問題となっている。
現在までの審議では,一般領海での通航(無害通航)に比べ,より自由な通航制度(妨げられざる通過通航)を認めるとの方向で審議が進められているが,一部海峡沿岸国にはなおこれに反対する声もある。
第7会期においては,国際海峡における航空機の上空飛行の制限についてのいくつかの修正案が出され,審議が行われたが結局実質的な進展はみられなかった。
今次海洋法会議が実質的合意をみるまでには今後さらに審議が継続されることとなると思われるが,我が国としては,会議の動向,国内世論の方向等を見極めつつ,我が国の海運国,沿岸国としての立場の十分な調整を図り,これを会議に十分反映させるべく慎重に対処していく必要があろう。
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