2 主要国におけるエネルギー消費の動向
我が国のエネルギー供給構造の特徴は,他の主要国と比較して第1に輸入依存度が高いこと(77年,日本88.0%,西ドイツ55.0%,アメリカ19.9%,OECD統計),第2にエネルギーの石油依存度が高いこと(78年,日本72.7%,西ドイツ58.3%,アメリカ46.7%, 〔2−1−6図〕)であり,日本の石油はほとんどすべて輸入に頼っている状況にある(77年,石油の輸入依存度,日本99.8%,西ドイツ95.9%,アメリカ43.7%,OECD統計)。
次に主要国の原油輸入量の推移をみると,日本をはじめとして各国とも74,75年は需要の減退により輸入量が減少傾向をたどったが,76年に入りイギリスを除き増加に転じている。このうち,アメリカは,76,77年にそれぞれ前年比20.5%増,19.9%増と大幅な増加を示したが,78年にはアラスカ油田で125万B/Dと前年に比べ3倍近い増産が行われたため,前年比7.1%減となった 〔2−1−7図〕。
昭和54年に入ってからの我が国の原液輸入量の動向をみると,1〜3月期は前年とほぼ同じ水準であったが,4〜6月期には,前年同期に比べ4.2%増(通商産業省「エネルギー統計月報」)と増加基調にある。
次に主要国のエネルギー消費量をみると,アメリカがずばぬけて多く,総量で日本の5倍に達している。実質国内総生産(GDP)単位当りの消費量でもアメリカの消費水準が高い(アメリカは日本の1.9倍)。人口1人当りのエネルギー消費水準をとってみても,アメリカの高さが目立っている(アメリカは日本の2.6倍)。
日本のエネルギー消費形態をみると,その特徴は産業部門の比重が他の主要国に比べて高く,運輸,民生の比重が相対的に低いことである 〔2−1−8図〕。また,日本は主要国の中でエネルギーの総消費量及び面積当りの消費量では多消費グループに位置するが,人口当りの消費量及びGDP当りの消費量では最低位グループに位置し 〔2−1−9表〕,特に民生部門における1人当りのエネルギー消費量は,IEA諸国の平均値の半分以下となっている(日本0.42,西ドイツ1.27,イギリス0.93,アメリカ1.89,IEA平均1.17,単位:石油換算トン,日本エネルギー経済研究所資料)。このように我が国のエネルギー消費構造は,エネルギー原単位的には国際的にみて良好であるが,IEA等において石油資源の有限性が強く叫ばれ,早ければ1980年代の半ばにはエネルギー不足が発生するといわれている今日,絶対量では世界の原油生産量の約1割を消費しており,しかも前述のとおりその原油の海外依存度が極めて高く世界第2位の石油輸入国である我が国は省エネルギーの方向に向かって強く努力する必要がある。
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