1 エネルギー源としての海洋石油危機を境として,我が国の高度成長を支えてきた低廉な資源・エネルギーの大量輸入,国土の大規模な開発等に依存し続けることはもはや不可能となり,社会・経済を支える資源・エネルギー,空間の確保が重大な問題となっている。 四面を海洋に囲まれた我が国にとって,無限ともいえる開発可能性をもつ海洋は,国家的に開発努力を傾注すべき対象であり,膨大な海洋のもつ大きな開発可能性をエネルギーの観点からながめても,海水・海底エネルギー資源 〔2−3−11表〕及び海洋エネルギーが期待される。
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海水・海底エネルギー資源としては,海水中に溶存しているウラン等と海底下の石油,天然ガス及び石炭があり,海洋エネルギーとしては,波,海流,海水の温度差等の利用が検討されている。これらの海洋におけるエネルギー資源の開発可能性を広く現実のものとしていくためには,海洋の開発利用の基礎となる海洋調査,関連技術開発等の分野において多くの課題が残されている。
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