2 定期船同盟憲章条約
定期船同盟憲章条約は,発展途上国の定期船海運への参加要求の高まりと同時に,定期船同盟の運営の新しい秩序を求める動きに対応し,10年間の検討の結果,1974年採択されたものである。本条約の主な内容は,@貿易当事国船社に定期船同盟への参加権を保証すること,A定期船同盟内において貨物積取比率に関する協定を結ぶ場合のガイドライン(貿易両当事国は平等のシェア,その他の国は合計で20%のシェア,いわゆる40:40:20の原則)を設定すること,B定期船同盟運営に関する定期船同盟と荷主との関係をルール化すること,C紛争解決手段として国際強制調停手続きを採用すること等である。
本条約については,既に多くの先進海運国が加入の意思を明らかにしていることから,ここ1〜2年のうちに発効するものとみられている。
我が国においては,本条約の早期加入が望ましいという観点から,政府部内で加入のための検討を進めているが,いずれにせよ今後の我が国の海運政策は,本条約を支持する国との航路においては,本条約の内容に従って進められ,特に発展途上国との間に問題が生じたときにおいてはこの条約の基準により問題の解決が図られることとなろう。
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