4 船員保険失業保険金の延長給付制度の活用
(1) 個別延長給付
最近の厳しい船員雇用情勢下において,再就職が困難であると認められる者についてその者に係る船員保険失業保険金の所定給付日数を超えて失業保険金を支給することとし,離職日において40才以上の漁業離職者求職手帳所持者,特定不況海上企業離職船員求職手帳所持者及び特定不況地域離職船員については,それぞれ「国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法」,「船員の雇用の促進に関する特別措置法」及び「特定不況地域離職者臨時措置法」に基づき90日の延長給付が行われており,また,特定漁業(母船式さけ・ます漁業等26業種)及び特定不況海上企業(船舶製造・修理業等4業種)に従事していた者のうち,上記特例措置を受けることができない者については,船員保険法に基づき60日の延長給付が行われている。
(2) 職業補導延長給付
海運局長の指示により社会保険庁長官の指定する職業補導所に入所した者に適用される職業補導延長給付に係る職業補導所の入所期間は,従来1年を限度としていたが,今般,船員保険法施行令の一部を改正する政令(昭和54年政令第14号)が公布施行され,この入所期間が2年を限度とすることとなった。
これに伴い,運輸省設置法第34条に規定する海技大学校の本科が,職業補導所として社会保険庁長官に指定され,職業補導延長給付制度が拡充された。
(3) 中高年船員に対する臨時特例措置
50年1月以降の海上労働需給の緩和状態下において中高年船員の失業者の滞留が著しい状況に鑑み,51年から55才以上(雇用機会不足地域においては45才以上)65才未満の者であって定の要件に該当する者については60日の失業保険金の延長という臨時特例措置が講じられてきたが,今般,「船員保険法による個別延長給付の臨時特例に関する省令の一部を改正する省令」が公布施行され,45才以上65才未満の者であって一定要件に該当する者については一律に60日の失業保険金の延長がなされることとなり,中高年船員に対する援護制度が拡充された。
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