2 物流近代化と営業倉庫


(1) 倉庫整備の推進

  物資の安定的供給と物流の合理化の社会的要請に応えるため,保管需要に応じた庫腹の拡充とサービスの高度化を図ることが倉庫業の重要な課題となっている。しかし,倉庫業をめぐる環境は,倉庫用地の確保難,建設費の高騰等一段と厳しさを増しており,近代的な営業倉庫の整備を進めてゆくためには長期的展望の下での計画的な整備が必要である。
  このため,運輸省では,51年度を初年度とする第4次倉庫整備5か年計画を策定し,営業倉庫整備の方向と目標を示している。同計画のうち,冷蔵倉庫については,保管需要が計画の想定を大きく上回ったため,53年10月,整備目標庫腹量を改定した。さらに,同計画が策定後既に3年を経過し,この間政府の経済計画の改定もあったので,54年度において同計画の全面的見直し作業を行うこととしている。
  また,営業倉庫の整備に対しては,政府関係金融機関からの融資が行われているほか,税制面での特例措置が講じられている。53年度における政府関係金融機関からの融資実積は,日本開発銀行83億1千万円,中小企業金融公庫114億7千万円,北海道東北開発公庫28億4千万円となっている。

(2) 流通業務団地等における集団化倉庫の建設

  近年,物流の近代化・合理化に対する社会的要請が強まっており,これに対応すべく全国主要都市において,倉庫,トラックターミナル,鉄道貨物駅等の物流施設を結集した流通業務団地等の整備が進められている。このような物流拠点において,倉庫業者は,倉庫適地の有効利用と倉庫施設の近代化を図るため,共同出資会社方式,事業協同組合方式,第3セクター方式等により集団化倉庫を建設している。最近では高松市で中小倉庫業者10社が集団化倉庫を建設し,54年4月より営業を開始した。
  これにより,現在までに営業を開始している集団化倉庫は,東京平和島流通業務団地の東京団地倉庫(株)(45年6月営業開始)をはじめ,25か所にのぼっている。


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