1 造船関連工業の概要
造船関連工業は,船舶にとう載する主機関及び各種の補助機械,ぎ装品並びにこれらの部分品等,広範囲な製品を製造する事業所を中心として形成された産業分野であり,これらの製品の価格が船価に占める割合は,約40%に達している。
造船関連工業の製造事業所数は,昭和53年12月末現在約750であり,その従業員数は,生産高減少に伴う各社の減量化対策により,前年の約7.8万人から約6.4万人に減少している。この他,造船関連工業には,船舶電装業,舶用機器修理業があり,これらを含めると事業所数が約1,600,従業員数が約7.6万人の規模となる。
我が国における鋼船建造量が,トン数において49年をピークとして著しく減少したにもかかわらず,造船関連工業の生産額は,建造船舶の隻数の落込みがトン数程顕著でなかったこと,及び船舶建造量と直接関係の少ないコンテナやボート等に用いられる船外機の生産が伸びたこと,更に,新興造船国等への単体輸出が順調だったこと等の理由により,タービン,ボイラー等大型タンカー関連機器を除き,全体としては52年まではまずまずの伸びを示していた。しかしながら,受注量の減少に加え,低船価の関連工業製品への影響が深刻化し,53年には生産額がついに前年より減少するとともに,有力関連工業メーカーの倒産も相次いだ。
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