4 外国船舶の安全対策
我が国の各港に入港する外国船舶は毎年増加しており,53年には約6万500隻に達している。これら外国船舶の中には,我が国の周辺海域の気象,海象,航路事情,港湾事情,海事関係法令等船舶の安全運航上必要不可欠な情報を得ることなく入港する船舶も多く,更には適切な海図すら保有していないものもみられる状況にある。これらの状況に伴い,我が国周辺海域における外国船舶の海難は依然として後を断たない。
このため,海上保安庁では,外国船舶に対し必要な情報を的確に把握するよう指導するとともに,瀬戸内海など船舶のふくそうする海域を航行する際には水先人の乗船を勧奨し,更には気象,海象,沿岸地形に関する情報等を記載した英文パンフレットを配付した。
一方,全国海難防止強調運動においても外国船舶の安全指導を重点項目の一つとし,訪船指導,巡視船艇による現場指導を通じ,海上交通関係法令等の周知徹底,気象,海象の把握の方法等きめ細かく指導を行った。
また,地域の特性に応じた効果的な安全対策を一層推進するため,特定港に設立を進めてきた外国船舶安全対策連絡協議会等(53年度末現在39団体)は,入港する外国船舶に対し,最近の海難事例,航路事情の伝達等の海難防止情報の提供を行うなど活動を行っている。
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