2 海上消防体制


  海上火災が発生した場合,海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律に基づきその原因者は,通報並びに消火,延焼の防止及び人命救助のための応急措置を講ずる義務がある。特に大型タンカーの火災は周辺に重大な影響を及ぼすものであり,その初期消火が重要であることから原因者側において迅速な措置をとることを確保する必要があるので,海上保安庁は安全指導の一環として海上交通安全法に基づきこれらの船舶が同法の定める航路を航行する場合には,船舶の大きさ,種類に応じて所要の消防能力を有する消防設備船を配備するよう指示しているほか,大型タンカー及び液化ガスタンカーが荷役を行う場合等に,一定の消防設備船を確保するようバース管理者等の関係者に対し指導を行っている。
  また,海上保安庁も大型タンカー火災が大規模な海上災害となることを防止するため,高性能の化学消防船の建造や巡視船艇の化学消防能力の強化等を行っている。


表紙へ戻る 次へ進む