2 航空機の検査体制、整備体制


  航空機の安全を図るため,航空機にあっては型式証明検査(3件-53年度実績,以下同じ。)耐空証明検査(1,156件,滑空機を除く。)修理改造検査(236件,滑空機を除く。)等を,また,発動機,プロペラ,その他重要装備品にあっては予備品証明検査(12,081件)等を実施している。また民間技術の向上にあわせ,かっ,検査業務量の増加に対処するため,耐空検査員(運輸大臣の認定を受け滑空機の検査を行う民間人)に一部の滑空機に係る検査(耐空証明検査127件,修理改造検査8件)を行わせ,また修理改造認定工場(修理改造認定検査69件)に航空機及び装備品に係る検査業務の一部を代行させて,検査体制の合理化を推進している。
  一方,航空機騒音対策の環として,ターボジェット機について騒音基準適合証明検査(22件)を実施している。
  なお,これらの検査に係る基準については,技術の進歩に伴い基準の強化に努めるとともにICAO(国際民間航空機関)の場においても耐空性委員会,航空機騒音委員会等に参画し,積極的に検討を進めている。
  航空機の整備,殊に大型機の整備については,近年,統計的手法を用いて航空機の品質を維持,向上させる信頼性管理方式による整備が大幅に採用されているが,運輸省では,各航空会社に対し,整備体制の強化を図るため,信頼性管理方式による整備管理体制の確立,大型かつ複雑化した航空機に対応した整備要員の養成,訓練の強化等を図るよう指導するとともに,安全性確認検査等を通じてその実態を常時監視している。
  また,東亜国内航空所有のYS-11型機において,電気系統の不具合による異常運航及び片脚着陸事故が54年7月に相次いで発生したが,運輸省ではこの事態を重視し,東亜国内航空に対して,整備方法の再検討及び整備体制の増強等を内容とする勧告を同社あて行ったが,さらに,将来にわたりYS-11型機の安全性をより一層確実なものとするため,その整備方式全般について,運輸省が中心となり,製造者,各運航会社を交えて,その見直しを行うこととした。


表紙へ戻る 次へ進む