2 新たな再建対策の概要


  この再建対策の概要は次のとおりである。

(1) 国鉄の経営改善措置

 ア 経営の重点化

      国鉄は,都市間旅客輸送,大都市圏旅客輸送及び大量・定型貨物輸送の分野を中心に経営の重点化を進める。
      その他の輸送需要が少なく,鉄道特性が発揮し難い分野については,輸送力,営業範囲の縮小等の減量化施策を講ずる。

 イ 地方交通線対策

      地方交通線については,地域住民の理解を得るよう努めつつ,その足の確保に十分配慮しながら,徹底した合理化,特別運賃の設定,バス輸送又は第三セクター,民間事業者等による鉄道輸送への転換等所要の措置を講ずることとする。当面,60年度までの間は輸送密度2,000人未満の路線(約4,000キロメートル)についてバス輸送又は第三セクター,民間事業者等による鉄道輸送への転換を行う。

 ウ 要員の合理化

      経営の重点化を進めるとともに,業務運営全般の効率化,機構・組織の簡素化等を徹底することにより,60年度において,東北・上越新幹線の開業による要員増を含め,職員「35万人体制」を実現する。

 エ 運賃改定

      運賃については,輸送需要の動向,他の運輸機関との競合関係等を考慮しつつ,国鉄の主体的な経営判断のもとに,法定限度の範囲内において,適時適切に改定を行う。このため,線区別,地域別運賃の導入,定期割引率の修正,貨物等級制の見直し等,逐次,従来の運賃制度の手直しを行う。

 オ 工事規模

      工事規模については極力圧縮することとし,当面,現状程度の規模に抑制する。

 カ 関連事業及び資産処分

      関連事業については,既存の事業分野の充実及び新規事業の積極的開発を進め,収入の増加を図る。また,資産処分については,不用資産のほか,現に事業の用に供している資産についてもより有効な利用を図る等,売却対象の生み出しに努め,これを促進する。

 キ 経営改善計画の策定

      国鉄は,上記の事項を基本とした経営改善計画を策定し,毎年度その実施状況を確認して所要の修正を行う。

(2) 行財政上の措置

  上記の国鉄の経営改善措置を前提として,国は,次のとおり行財政上の措置を講ずる。

 ア 運輸政策上の配慮

      運輸政策の推進に当たっては,各輸送機関の特性を生かした効率的な交通体系の形成を図る観点から,国鉄の有する特性も十分に発揮しうるように配慮する。

 イ 公的助成等

      国鉄の経営努力のみでは解決し難い,いわゆる構造的問題等を中心に行財政上の措置を講ずる。その主な内容は,�@累積赤字については,債務の棚上げ等により解消を図ることとし,54年度末における累積赤字の一部について,債務の棚上げ措置を講ずること,�A年令構成の歪みから生ずる国鉄年金の問題については,関係省庁において抜本的な共済年金対策について検討を進め,その結論に基づき所要の措置を講ずることとし,また,退職金の異常な増加については,一定の基準を超える経費について補給金制度を継続すること,�B国鉄地方交通線対策の円滑な実施を図るため,バス輸送又は第三セクター,民間事業者等による鉄道輸送への転換促進に要する費用,転換後の欠損及び国鉄の維持する地方交通線の欠損について所要の公的助成を行うこととし,また,国鉄地方交通線の転換に伴い,関連道路の整備を図る等所要の措置を講ずること,�C運賃上の公共負担の軽減対策について関係省庁において検討を進め,早急に結論を得ることとし,これに基づき所要の措置を講ずること,�Dその他,設備投資の負担軽減のための助成を行うこと等である。

(3) 収支均衡の回復

  これらの対策を確実に実施することにより,60年度までに国鉄の健全経営の基盤を確立するとともに,可及的速やかに収支均衡の実現を図る。


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