2 財産の状態


  54年度宋における一般勘定の財産状態をみると,資産の部に計上されている繰越欠損金を除いた資産総額は9兆122億円で前年度に比べ13%増加した。このうち,固定資産は,線路設備,車両,建設仮勘定等の増加により8兆57億円(前年度比12%増),流動資産は,未収金や有価証券等の増加により6,534億円(同31%増),繰延資産は,1,753億円(同9%増)となっている。51年度から資産の部に表示されている繰越欠損金は,53年度末残高2兆6,949億円に本年度純損失8,218億円を加え3兆5,167億円となった。
  次に,負債及び資本の部では,その大宗を占める長期負債が10兆1,493億円と前年度比20%増を示し,初めて10兆円を超えた。その内訳は長期借入金が5兆5,275億円(前年度比23%増),鉄道債券が4兆6,218億円(同17%増)となっており,依然として国鉄経営の借入金への依存度の高さが示されている。短期負債は,未払金,連絡未払金の減少があったものの未払利子,前受金等の増加によって,全体として6,054億円で前年度に比べ1%の増加となった。
  資本金及び資本積立金は,ともに前年度と同額でそれぞれ4,560億円,9,057億円となった。
  特定債務整理特別勘定の財産状態については,負債の部における特定長期借入金の償還とともに,今年度は新たに財政再建借入金が3億円償還されたことにより,資産の部における特定繰越欠損金が3億円消去された 〔I−(I)−7表〕


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