1 世界の造船業


  世界の造船業は,1979年も前年に引き続き建造量の減少にみまわれたが,新造船受注量及び手持工事量は前年よりも増加し造船不況からの立ち直りの兆しがみられた。
  ロイド統計(総トン数100トン以上の船舶が対象)によれば,79年の世界の建造量(進水ベース)は前年比23%減の1,179万総トンであり,日本の建造量は前年比12%減,ピーク時である75年比76%減の432万総トンと大幅に減少した。
  その他各国の建造量をみると,西欧造船工業会(AWES;加盟国12か国で構成)は前年比23%減の404万総トン,その他の諸国も前年比23%減の343万総トンとそれぞれ減少している 〔II−(IV)−9表〕

  80年3月末現在の世界の手持工事量は,新規受注増に対応して前年3月末に比べて23%増の3,089万総トンであった。これを船種別にみると,油タンカーが1,005万総トン(32%),ばら積貨物船が1,043万総トン(34%),一般貨物船が529万総トン(17%)である。
  なお,各国の手持工事量をみると,日本は,前年3月末に比べ81%増の1,125万総トンと増加しているものの,ピーク時の74年3月末に比べれば18%あまりである。また,日本,AWES諸国の他にブラジル,ポーランド,アメリカ,韓国等のいわゆる第三造船国が大きなシェアを占めていることがわかる 〔II−(IV)−10表〕


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