1 航空事故の発生状況


  昭和54年に我が国において発生した民間航空機の事故件数は51件で,前年に比べ12件増加した。なお,死者10人以上又は重傷者20人以上を伴う,いわゆる重大事故は発生しなかった。
  また,死傷者数については死亡者数は前年の17人から7人に減少したが,負傷者数は前年の36人から74人に増加した。
  事故を業種別に前年と比較してみると,旅客運送用航空機(大型飛行機)に係る事故は4件から8件に,自家用,使用事業周航空機(小型飛行機,回転翼機,滑空機等)に係る事故は35件から43件にそれぞれ増加した。

  一方,運航形態別にみると,航行中-飛行機10件,回転翼機12件,着陸時-飛行機11件,回転翼機6件,滑空機3件,離陸時-飛行機1件,回転翼機3件,滑空機3件,駐機その他-回転翼機1件,飛行船1件となっており,飛行機にあっては着陸時の事故が最も多く,回転翼機にあっては航行中,特に薬剤散布飛行中の事故が目立っている 〔III−26表〕
  なお,54年に外国で発生した我が国登録航空機による事故は,1件(3月18日,日本航空所属B-747-200F型機がコペンハーゲン空港に着陸後駐機場に向う途中,照明燈柱に接触し主翼翼端を損傷。死傷者なし。)であった。


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