2 事故の原因


  54年中の事故の原因としては,操縦操作の誤り,判断の不適切等人的要因によるものが最も多く,全事故の約65%(55年10別5日現在調査中のものを除く。)を占めている。なかでも,小型飛行機の操縦訓練における着陸の際のハードランデング,滑走路逸脱等による機体損傷事故(7件),回転翼機の飛行中電線,樹木等障害物との接触による墜落及び不時着事故(6件)の多発が目立っている。
  なお,前年に比べて負傷者数が大幅に増加しているが,これは,大型飛行機において,前年にはなかった飛行中の乱気流遭遇による乗客乗員の負傷事故が4件(53人負傷)発生したことの影響によるものである。
  また,52年9月27日クアラ・ランプールで発生した日本航空所属DC-8-62型機墜落事故(38人死亡,45人負傷)について,55年1月23日,マレイシア民間航空局から次の旨の発表がされた。「本事故の推定原因は,機長が滑走路を認視することなく最低降下高度以下に降下し,滑走路末端から約7.4キロメートル手前の標高約79メートルの丘に衝突するまで降下し続けたことによるものであり,関与要因としては,数機の航空機が進入の順番を待つため待機していた悪天候下において,機長の飛行経路の監視が不十分であったことと,更に重要なことは,副操縦士が機長に会社輝程に違反していることについてその是正を要求しなかったことである。」


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