3 地震・火山業務の強化
気象庁は,日本及びその付近に発生する地震を常時監視し,適時に地震情報を発表するほか,津波のおそれがある場合は,津波注意報,津波警報を発表して災害の防止軽減に努めている。また,地震予知連絡会及び地震予知推進本部のメンバーとして関係機関と協力し,地震予知計画の推進に取り組んでいる。
54年度においては,東海地域については,尾鷲,浜松の地震観測データをテレメーターで気象庁本庁に集め,常時監視体制を強化したほか,海底地震計の常時監視体制の整備を行い,また,東海地域及び南関東地域に既に整備した12か所の地殻岩石の歪計に加えて,東海地域8か所,南関東地域5か所に歪計を整備し,常時監視体制を強化した。更に,大・中・小地震を対象とする地震観測施設のうち,直視式電磁地震計11台の改良更新を行った。また,地震観測所の歪地震計は,2万倍という高感度で地殻の伸縮,振動が測定でき,プレート運動により日本列島の受ける応力とトルコ,中南米等,遠隔地の地震を観測する装置であるが,これの更新に当たって,測定部の改良,オンライン処理装置の付加等により測定精度及び観測機能の向上を図った。
火山については,全国で17の主要火山を対象に定常的な観測を行い,その他の火山については,活動を開始した場合に火山機動班を派遣し,観測結果に基づいて火山情報を発表することとしている。特に,活動火山対策特別措置法第21条の規定については,「火山活動情報」として対処することとしている。
54年度においては,火山活動の活発な桜島に震動データ計数装置等を新設するとともに,安達太良山の観測施設の改良更新を行い,北海道と九州にそれぞれ地方機動観測班を新設する等,火山観測体制の強化を図った。
火山噴火予知について,気象庁は,同法の趣旨によりその研究を推進するとともに,火山噴火予知連絡会の事務局として関係機関と協力し,火山噴火予知計画を進めている。
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