4 地域輸送構造の動向
安定経済成長下にあっても,産業の地方分散化とそれによる北海道,東北,九州地域等の遠隔地立地が進展しているが,一方,太平洋ベルト地帯,なかでも関東臨海・近畿臨海,東海の三大湾地域の工業出荷額のシェアは次第に低下傾向を見せている。この三大湾地域のシェアは,45年には65.2%であったが,54年には59・8%に低下し,これに対して,それ以外の地域のシェアの高まりが顕著となった。こうした変化を反映して,地域の輸送構造も 〔2−2−48表〕のとおり,なお三大都市圏はウェイトが大きいもののその伸び率が小さく,それ以外の地域の伸び率が高くなっている。 〔2−2−49表〕のとおり,域内流動においては,北海道,九州地域が顕著な伸びを示しており,また,域間流動においては,北海道,東北地域では着ベース,九州,北陸地域では発着ベースとも伸びている。一方,関東,近畿地域では伸び悩みが自立っている。次に域内及び域間流動を輸送機関別にみると, 〔2−2−50図〕のとおり,域内においてはどの地域でも自動車がほとんどのシェアを占めている。域間においては,全般的には鉄道のシェアが低下し自動車のシェアが高まっている地域が多いが,各地域によって若干の違いを見せている。例えば,発ベースで見ると,北海道,九州,四国,中国地域は海運主導型である。一方,北陸,中部,東北地域にあっては,鉄道主導型から次第に自動車主導型になりつつあり,関東,近畿地域では,鉄道のシェアの低下とともに,海運,自動車の進出が著しい。また,着ベースでみても,ほぼ同じ傾向にあるが,特に北陸,東北地域では鉄道のシェアの低下,自動車,海運の進出が目立っている。これは高速自動車道や地方港湾の整備等のためと思われる 〔2−2−51図〕。
![]()
![]()
![]()
![]()
|