2 財産の状態


  55年度末における一般勘定の財産状態は,繰越欠損金を除いた資産総額では9兆9,215億円と対前年度比10%の増加となった。主なものをあげると固定資産が線路設備,機器,建設仮勘定等の増加により対前年度比11%増の8兆8,754億円,流動資産は未収金及び有価証券の増加により同6%増の6,932億円,繰延資産は,債券発行差額,開発諸費の増加により同2%増の1,781億円となっている。繰越欠損金は,前年度末の3兆5,167億円のうち,2兆8,220億円を特別勘定に移し替えるとともに,資本積立金を5,243億円取り崩して繰越欠損金の減額に充てたため,55年度繰越欠損金は,これらの措置による残額1,704億円と本年度純損失1兆84億円を加えた1兆1,788億円と前年度に比べ66%も減少している。
  次に,負債の状態をみると,長期負債では,長期借入金の一部が特別勘定へ移し替えられた結果,全体で9兆770億円と前年度に比べ11%の減少となった。短期負債は,未払金,前受金等の増加により6,111億円と対前年度比1%増となった。その他負債は,特別施設整備見返勘定,工事負担金等見返勘定等の増加により,5,747億円と同39%増となった。この結果,負債全体では,10兆2,628億円と同8%の減少となっている。
  資本の状態については,資本金が前年度同額の4,560億円,資本積立金は一部取り崩しを行ったことにより3,815億円と対前年度比58%の減少になっている。
  特別勘定の財産状態については,一般勘定から受け入れた407億円が,負債のうち特定長期借入金の償還386億円,財政再建借入金の償還14億円に充てられた。一方,一般勘定の長期借入金2兆8,220億円が特利勘定に移し替えられ,特定長期借入金が増額された。この結果,特定長期借入金は5兆599億円,財政再建借入金は2,622億円となり,負債合計で5兆3,221億円となった。資産の部における特定繰越欠損金は,前年度に比べ2兆7,820億円増加した 〔I−(I)−6表〕


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