4 中小民鉄対策
中小民鉄(84社,56年3月末現在)は,沿線人口の減少,モータリゼーションの進展等による輸送構造の変化や人件費等の諸経費の増加によりその経営は困難な状況にあるが,最近は,運賃改定,企業の合理化努力等により経常損失額が減少し,改善の方向に向いつつある。
しかしながら,55年度は動力費の高騰等もあり前年度に比べて経常損失額は増加している。これを主として旅客輸送を行っている地方中小民鉄60社の収支についてみると,鉄軌道業において経常利益を生じている事業者は13社にすぎず,残りの47社は経常損失を生じており,その額は123億円となっている。
このため,適時適切な運賃改定のほか各種の助成措置を従来より行ってきているが,経常収支の改善が非常に困難な事業者も少なくない。
なお,助成措置としては,欠損補助,近代化設備整備費補助及び踏切保安設備整備費補助があり,55年度には欠損補助として9事業者10路線につき約2億4,100万円,近代化設備整備費補助として27事業者に対して約6億2,800万円,また,踏切保安設備整備費補助として209個所の踏切保安設備の改良のため約5億9,300万円の国庫補助を行った。
|