1 全国新幹線鉄道網の整備
現在,建設を進めている新幹線は,東北(東京-盛岡間496キロメートル),上越(大宮-新潟間270キロメートル)及び成田(東京-成田空港間65キロメートル)の各線であり,昭和55年度においては7,327億円が投資され,56年度予算においては工事費として4,376億円が計上されている。
東北新幹線については57年6月に大宮-盛岡間を,上越新幹線については57年11月に大宮-新潟間をそれぞれ開業すべく鋭意工事を行っている。
工事の遅れている大宮以南については,引き続き59年度に上野まで,61年度には東京までの開業を予定している。
成田新幹線については,用地買収等困難な問題が多く,現在一部区間の着工にとどまっており,現在検討中の成田空港へのアクセス対策とともに,その取り扱いを決定することとしている。
また,整備計画を決定した東北(盛岡市-青森市間),北海道(青森市-札幌市間),北陸(東京都-大阪市間)及び九州(福岡市-鹿児島市間及び福岡市-長崎市間)の各新幹線については,日本国有鉄道及び日本鉄道建設公団において工事実施計画策定のための調査を行ってきたところである。整備新幹線の進め方については,53年10月の新幹線整備関係閣僚会議に具体的実施計画が了承されており,これらの計画を進めるに当たっては,国及び国鉄の財政状況等を勘案して,所要の公的助成及び財源措置等の前提要件について十分検討することとしている。56年度予算においては,国鉄と日本鉄道建設公団が,それぞれ20億円の補助金で工事着工のための所要の調査を進めることとしている。また,「全国新幹線鉄道整備法」の一部を改正し,地方公共団体が新幹線鉄道の建設のため必要な資金の一部を負担することができる方途を開く法律が,56年6月12日に公布,施行された。今後,前記法律改正の趣旨に沿って,具体的内容について関係省庁等と協議検討していくこととしている。基本計画が決定した新幹線については,地形,地質等に関する調査が一部行われている。
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