2 海難への即応体制


  海上保安庁は,海難が発生した場合には,陸上部署,巡視船艇,航空機等により海・陸・空一体となって救助活動を実施しており,特に海難の多発が予想される海域には巡視船艇を配置して前進哨戒を実施している。
  55年には,冬季北洋前進哨戒(12〜3月),北洋さけ・ます前進哨戒(5〜7月)等24か所の海域で,巡視船艇168隻が延べ8,952日の前進哨戒を実施し,208隻の遭難船舶を救助した。
  また,転覆,沈没船内の乗組員を救助するための潜水技術など高度な知識及び技術をもったレスキュー部隊として50年に発足した特殊救難隊は,55年には転覆海難など36件の特殊な海難に出動し,遭難船舶の乗船者26人を救助するとともに,5件の人身事故に出動し,負傷者等5人を救助した。
  他方,昭和55年末から56年にかけて千葉県野島崎東方の遠距離海域において相次いで発生した大型船の海難に際して,巡視船が現場に到着するまでに長時間を要したり,厳しい気象・海象下での救助作業に困難をきたし有効な救助活動を行えなかったケースがみられたので遠距離海難救助体制の整備について検討を行っている。


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