3 プレージャーボート,漁船の安全対策
近年,モーターボート,ヨット等のプレジャーボートを利用する海洋レクリエーションが広く国民の間に普及し,その保有隻数の増加に伴い,ブレジャーボートの海難が次第に増加している。このような状況にかんがみ,海上保安庁としては49年以来プレジャーボート等小型船舶に対する安全指導を重点項目としてとらえており,同年5月には,ユーザー等民間有志による自主的なパトロール等の安全活動を積極的に援助・育成することを目的として,海上安全指導員制度を発足させた。
55年には,プレジャーボート関係者を対象とした海難防止講習会を全国で304回開催し,約1万5,000人が受講した。また,海上安全指導員により約1万1,900隻のプレジャーボートが安全指導を受けた。
一方,漁船の海難発生状況を見てみると,55年は1,110隻で,相変らず要救助船舶全体の約半数を占めている。
海上保安庁としては,このように漁船による海難が依然として高い比率を示していることから,機会あるごとに海難防止講習会を開催し,あるいは訪船指導を行うなどにより,海事関係法令の遵守,出漁前の整備点検,救命筏・遭難信号自動発信器等の救命設備や消火器等の消防設備の取り扱い方法の習熟,気象・海象情報の早期把握,集団操業の励行,相互連絡,協力体制の確立,過載防止の指導等を行っている。
55年には,全国海難防止強調運動の一環として258回の講習会を開催し,約1万60O人の漁業関係者が受講した。
また,小型船舶(総トン数20トン未満のもの)に対する船舶職員の乗り組み等について一層周知徹底を図るとともに,小型船舶操縦士試験の実施体制を整備し,民間の職員養成機関に対し適正な運営について指導等を行っている。
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