4 外国船舶の安全対策


  外国船舶については,我が国周辺海域の特殊性に不慣れなうえに,我が国の海事関係法令,航法,沿岸海域における船舶運航上の注意事項等の航海に必要な情報が不足していること等から海難発生率が高く,漁船を除く一般船舶について,最近3年間における我が国の特定港に入港した総隻数に対する要救助船舶隻数の割合をみると,外国船舶は日本船舶の約3倍となっている。
  このため,海上保安庁は外国船舶に対し必要な情報を的確に把握するよう指導するとともに,瀬戸内海など船舶交通がふくそうする海域を航行する際には,強制水先対象船舶以外の外国船舶についても水先人の乗船を勧奨し,更に,我が国の周辺海域を安全に航行するために必要な事項を記載した英文パンフレット等を配布している。
  また,海難原因のうち船員の資質の低さを示すと考えられる人的要因の占める割合は,外国船舶の方が日本船舶より高くなっていること等から,外国船舶は,船員の資質についても問題があると考えられ,「1978年の船員の訓練,資格証明及び当直維持の基準に関する国際条約」は,いわゆる基準以下船の船員の資質を一定水準に高めるうえで極めて有効であると思われるので,その早期発効が望まれる。


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