2 労働時間の動向
56年における運輸業の労働者1人当たり平均月間総実労働時間は186.2時間で,前年並みであった。このうち所定内労働時間は165.7時間,所定外労働時間は20.5時間であった。業種別にみると,鉄道業は所定内,所定外労働時間ともに全産業平均を下回っているのに対し,道路運送業では,旅客,貨物ともに所定内,所定外労働時間のいずれも全産業平均を上回っている。特に,道路貨物運送業の労働時間が長く,56年の月間総実労働時間は,前年を下回ったものの208.7時間で,全産業平均を33.6時間上回った 〔1−3−18表〕。
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自動車運転者の労働時間等の労働条件については,労働省において,54年12月に策定された「自動車運転者の労働時間等の改善基準」等に基づき,56年度においても,前年度に引き続き全国的規模で監督指導が実施された。労働省が56年度にトラック関係及びハイヤー・タクシー関係の事業場に対して実施した監督指導結果によると,「改善基準」の諸項目について何らかの違背が認められた事の業場は57.1%であった。また「改善基準」の主要項目について,その違反事業場比率をみると,トラック関係の「日勤勤務の1日の最大拘束時間(16時間)」が32.9%,「連続運転時間(4時間)」が34.3%となっており,ハイヤー・タクシー関係では「隔日勤務の最大拘束時間(24時間)」が37.3%等となっている。なお,これを55年の全国一斉監督指導の結果と対比すると,全般的に改善がみられる。
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