3 オンライン・ネットワーク・システムの検討
このように様々な当事者を互いに接続するオンライン・ネットワーク・システムは順次整備されつつある。特に運輸業は,隔地間での情報の伝達や処理を大量に行うことが必然的に不可欠であるため,ネットワーク化に伴って,業務を迅速かつ効率的に行うことが可能であり,その効果も非常に大きいと考えられる。
しかし,企業間でコンピュータ・システムを接続してネットワークを形成し,互いに情報の伝達処理を行おうとする場合,相互のシステムの情報処理のための規約(プロトコル)が統一されていることが必要となる。このため,データ通信ネットワークの発達しているアメリカではEDI,ヨーロッパではTDIという運輸業の情報処理のための標準データ交換ルールが開発され,運用されつつある。
我が国でもデータ通信回線の利用の自由化に伴い,同業他社間,異業種間のシステムのネットワーク化が進展していくと予想されるが,ネットワークの形成を各企業,各業種が個別に進めると,相互の通信プロトコル,ソフトウェア,帳票,コード等が異なってくるため,将来,他企業,他業種と相互結合する際にソフトウェアの大規模な改造や中継コンピュータの設置が必要となり,この結果,システム全体が二重投資となったり,非効率なものとなるおそれがあるなど,種々の障害がある。
このため運輸省では,57年度より「物流情報システムネットワーク化研究会」を設け,データ通信回線利用の自由化後における物流業を中心とした国民経済的にみて効率的なオンライン・ネットワーク・システムを構築していくために必要とされる諸条件について調査・研究を行うこととしている。
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