3 総合的な国際運輸政策の推進


  運輸行政の国際的なかかわり合いとその役割の概略は以上のとおりであるが,今後の諸施策の推進に当たっては特に総合性の確保に留意する必要があろう。
  即ち,従来,国際運輸政策の推進については,海運,航空,造船,観光等の各部門別の対応が行われてきたが,今後,我が国の国際的地位の上昇に伴い,運輸部門の国際政策の重要性は増大していくものと見込まれ,今まで以上に効率的,かつ効果的な施策を的確に推進していくことが要請されよう。そのためには,個別的部分的な対応でなく,調整された一貫した方針の下に相手国と日本の間の運輸部門の関係を総合し,その中に個別施策を位置付け,全体として,友好的な運輸関係を推進していく必要がある。
  具体的にいえば,前述した国際協力の推進に海上,航空輸送路確保の視点を関連づけることが一例であろうし,航空,観光関係も相互に密接に関連づけて検討されるべき例であろう。
  以下の各節では,国際運輸政策の各部門別の課題につき詳述することとする。


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