II-(V)-6 海洋データの管理・提供と海洋調査
海図・水路書誌の刊行
海上保安庁は,航海の安全のために不可欠な港泊図,海岸図,航海図等の航海用海図,海洋における諸活動を行ううえで必要な潮流図,海流図等の特殊図及び航空路等を記載した航空図を刊行している。
56年度末現在,航海用海図1,017版,特殊図131版,航空図21版を刊行しており・これらの海図は常に港湾,航路の現状に即して修正するよう努めている。
世界を16区域に分割し,航海の安全に関する情報を効率的に船舶に周知する世界航行警報業務システムの第]I区域(太平洋西部及び東南アジア海域)の調整国として,当該区域内の情報の収集,選別,提供に当たっており,56年には1,429件の世界航行警報を実施した。
遠隔島しょの位置は,従来,それぞれ個々の天文観測によって決められており,これらは数百メートルに及ぶ誤差が予想されるため,海上保安庁では,55年度から,航行衛星受信装置によりこれらの鶴しょの位置を測定している。
また,従来から言われている日本列島の位置のズレを明確にし,世界測地系との関係を明らかにするため,和歌山県下里水路観測所に人工衛星レーザー測距装置を整備し,57年4月から測地衛星ラジオスの観測を開始した。これらは,日本列島周辺の調査の基準となる海洋測地綱を整備する一環として推進しているもので,その成果は,より正確な海図の作成,領海や200海里経済水域の基線の確定,今後の海洋開発等に大いに寄与することとなる。
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