2 地震・火山活動


(1) 地震活動

  昭和56年度に発生した主な地震は,次のとおりである。
 ア 57年1月8日の秋田県中部の地震(マグニチュード4.9)は,北秋田郡阿仁町で器物の落下,窓ガラスの破損,家屋のきれつ等の被害があった。
 イ 57年3月21日の「1982年浦河沖地震」(マダニチュード7.1)は,11時32分頃,北海道及び東北地方の大部分と関東地方の一部で地震を感じ,特に,震源地に近い浦河では震度6の烈震を観測した。この地震により,重軽傷者167人が出たほか,北海道南部地方で家屋の倒壊,道路の損壊,山崩れ等の被害が出た。また,北海道南津から三陸沿岸にかけて津波が観測されたが,被害はなかった。

(2) 火山活動

  昭和56年度には,桜島が活発な噴火活動をし,爆発的な噴火は288回で,11月には,噴出物により,自動車のフロントガラスが破損する被害があった。
  諏訪之瀬島では,ほぼ毎月爆発的な噴火があったが,被害はなかった。
  硫黄島では,3月9日と10日に水蒸気爆発があった。
  爺爺岳では,6月24日に噴火があった。
  南硫黄島周辺の福徳岡の場ではしばしば,福神海山では1月と3月に,海底火山の活動による変色水が認められた。
  浅間山は,57年4月26日2時25分に,昭和48年以来9年ぶりに突然噴火した。噴火の規模は中噴火であったが,降灰が浅間山周辺から埼玉県,東京都,千葉県の一帯に認められた。
  なお,57年5月から8月には,噴火活動による火山灰が東風に乗って鹿児島市街方面にたびたび降ったが,特に,8月24日には,台風の北上に伴った東風により,鹿児島県庁舎屋上で,1平方メートル当たり5,934グラムの記録的な火山灰が降った。


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