1 国鉄の経営状況の推移


  (国鉄のシェアは旅客で24%,貨物で7%へと低下)
  国鉄は,昭和24年に公共企業体として発足して以来,基幹的輸送機関として我が国経済の復興と高度成長に大きな役割を果たしてきた。
  30年代の高度成長期には,国鉄も順調に輸送量が増加し幹線系を中心に輸送力が逼迫する状況が続いた。しかし,貨物輸送については30年代後半に至り,輸送需要の質的変化等により,輸送量は伸び悩みの傾向となった。
  40年代においては,国鉄の旅客輸送量は引き続き増加し,49年度で2,156億人キロに達したものの,その伸びは国内旅客総輸送量の伸びに比して相対的に低位に止まり,また,50年度以降には逆に減少傾向に転じて近年においては年間2,000億人キロを下回るに至っている。この間,国鉄の旅客輸送量のシェアは35年度51%であったものが45年度32%,57年度24%へと低下した。また,国鉄の貨物輸送量は30年代後半に続いて40年代前半において500〜600億トンキロで横ばい傾向となり,さらに,40年代以降,ストライキによる荷主の信頼の低下等の影響も加わり,45年度624億トンキロをピークとして減少傾向へと転じ,そのシェアも35年度39%であったものが57年度は7%となるに至っている 〔2−1−1図〕, 〔2−1−2図〕。

  (増え続ける欠損額と長期債務)
  以上のような輸送需要の動向の中で,国鉄の経営は39年度に単年度赤字を生じて以来,輸送量の伸び悩みと運賃値上げの遅れから経費の増加に見合う収入の増加が得られず,各年度の欠損額は次第に増加し,41年度に利益積立金を取り崩して繰越欠損を生じ,46年度には償却前赤字を生ずるに至った。さらに,48年末に生じた石油危機による諸物価と人件費の大幅な上昇は,収支を大幅に悪化させ,このため,50年度には欠損額が9,000億円を超えて同年度末の累積赤字は3兆円を超える事態となった。その後においても,51年度及び55年度に債務の棚上げ等の措置が講じられたにもかかわらず顕著な収支の改善はみられず,一方,国鉄職員の年齢構成の歪みから生ずる退職金,年金負担の増大が近年に至って顕在化したこともあって,毎年度の欠損額はこの数年1兆円を超える巨額なものとなっており,この結果,57年度末の累積赤字は8兆9,646億円となっている 〔2−1−3表〕。また,57年度末における長期債務残高は18兆円に上っており,これに伴う支払利子の増大は経営を圧迫する要因となっている 〔2−1−4図〕。


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