4 国際運輸・観光行政の基本的方向


 (総合的な国際運輸・観光政策の推進)
  我が国の経済社会の国際化の進展,国際的相互依存関係の深化という時代の流れの中で,我が国の存立基盤たる世界貿易の円滑化及び国際交流の促進がますます重要になりつつある。このため,海上,航空輸送の安定性・利便性を今後とも維持確保し,外航海運,国際航空の一層の発展を図るとともに,国際間の相互理解を深める上で効果的な国際観光交流の一層の促進を図ることが緊要な課題となっている。
  このような課題に対処するためには,国際的な貨客の動向,特に国際貨物の流れの変化と将来の見通しを踏まえて,我が国の外航海運及び国際航空の発展のための基盤づくりを推進しなければならない。この際,先進国を含めた諸外国の政策が自国企業の振興や保護のための色彩を強めていることに特に注意する必要がある。
  国際運輸・観光行政の基本的方向は,こうした潮流を踏まえ,運輸行政における国際政策を有機的に一元化し,国際貿易の円滑化,国際交流の促進等に取り組んで行くことである。具体的には,
 @ 外航海運,国際航空等における望ましい国際運輸秩序の形成
 A 国際運輸企業の経営基盤の強化,国際複合一貫輸送体制の整備等効率的な国際的運輸システムの確立
 B 発展途上国の鉄道,港湾,飛行場,国際観光施設等の運輸基盤施設の整備のみならず,運輸関係法制度の整備,総合交通政策の策定及び実施等についての国際協力の推進
 C 航空政策と観光政策の密接な連携による国際的な人的交流の推進と地域の特性を活かした観光地の整備,観光事業の振興等による国民の観光レクリエーションの充実等を推進する必要がある。


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