2 高速交通網の充実
(幹線高速交通サービス水準の地域間格差の是正)
東北・上越新幹線の開通,地方空港のジェット化等我が国全体としての高速交通サービス水準は着実に増加しつつあるが,全国幹線旅客交通体系の高速化を図るに当たって21世紀を目指した長期的な目標としては,全国土にわたってできるだけ日帰り可能圏を拡大するという見地から,ほとんどすべての定住圏の中心都市から1〜2時間程度で最寄りの空港または新幹線駅に到達できるような高速交通体系のネットワークを充実することが基本となる。この新幹線,航空への接近性の現状をみると, 〔2−1−8図〕のとおり日本海側,四国,南九州等の地域を中心として新幹線の駅や空港へのアクセシビリティが悪く幹線高速交通の利便を享受することが困難な空白地帯がなお分布しており,こうしたサービス水準の地域間格差を是正していく必要がある。
このような目標を達成するための方向としては,経済の安定成長の下においては高度成長期のような高い増加率で公共投資を拡大していくことは困難であることから,航空,新幹線といった高速交通手段については,それぞれの特性に応じ,かつ,需要の動向をみながら,投資の重点化,効率化を図りつつ段階的に進める必要がある。また,既存の高速交通手段を十二分に活用するという見地から,在来鉄道の列車設定の適正化,道路の整備等のフィーダー輸送対策を充実する必要がある。
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