1 貨物輸送をめぐる情勢の変化


 (経済社会の変化)
  我が国の貨物輸送をめぐる情勢は大きく変化してきている。
  近年,国民生活の面において,所得水準の上昇,余暇時間の増大,女性の社会進出,高齢化の進展等により,生活様式が変化してきており,これに伴い,国民の生活意識も変化し,消費生活の質的充実の要請の高まり,価値観の多様化が見られる。
  また,第3次産業の就業者構成比や名目国内総生産構成比が上昇を続けていることに表われているように,我が国においては経済のサービス化が進展している。さらに,マイクロエレクトロニクス,バイオテクノロジー,新素材等の新技術の開発に伴い,いわゆる知識集約型の産業の成長が著しく,工業製品の軽薄短小化の傾向が進展している。
  これらの変化は,通信情報処理技術の発達により加速される傾向にあり,今後のこれらの技術の進歩によってはなお一層の変化が進むことが予想される。
  このような情勢を反映して,貨物流通の分野においては,国内貨物輸送量の伸びとGNPの伸びのかい離,輸送の物資別構成の変化等の現象が生じている。


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