国鉄にはじめて地域別運賃導入(59.4)


  国鉄の旅客運賃は,明治以来,全国一律運賃制が採用されてきたが,59年度の運賃改定において,地域別運賃制度が導入された。
  地域別運賃制度は,国鉄の独占性が失われ,他の輸送機関との競争が厳しくなっている今日,全国一律運賃制を維持することは,鉄道特性を発揮しうる分野の営業基盤を危うくすること,地方交通線の経費は収入の5倍以上に達しているが,幹線の経費は収入の1.45倍であり,利用者間の負担の公平の観点から問題があること等からその導入の必要性が指摘されてきたものである。
  今回の改正では,幹線と比べて大都市圏(東京・大阪国電区間)は上げ幅を抑制し,地方交通線は割増しとする三段階の運賃となっている。
  今後は,新しい制度の効果を見極めつつ,その定着を図って行くこととしている。(P.191参照)


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