4　輸送関連の動向

(1)　造船

　　59年度の新造船受注量(建造許可ベース)は,721万総トン,対前年度比42.0%減と58年度中にいわゆるハンディサイズのばら積み貨物船が大量発注された反動もあり,大きく減少した。船種別にみると,貨物船は同49.4%減の555万総トン,油送船は同15.4%増の167万総トンとなった。国内船・輸出船別にみると,国内船は同4.1%減の248万総トン,輸出船は同51.9%減の473万総トシとなった。
　　一方,59年度の新造船工事量(竣工ベース)は,これら大量発注された貨物船が竣工し始めたため,907総トン同30.2%増となった。
　　この結果,59年度末の新造船手持工事量は,1,143万総トン,対前年度末比16.1%減となった。
　　また,59年の新造船工事量(ロイド統計による竣工ベース)は,971万総トン,対前年比45.6%増となり,世界におけるシェアは53.0%を占めた。
　　なお,舶用工業の59年の生産額は,1兆866億円,対前年比10.9%増となった。

(2)　鉄道車両製造

　　59年度の鉄道車両の生産実績(新造)は,1,939両,1,622億円で,それぞれ対前年度比29.8%増,75.0%増となり,前年度が大幅減であった反動もあり大幅に増加した。これを需要先別にみると,金額ベースで国鉄は東北・上越新幹線電車の大幅増により同45.0%増の658億円となり,国内民需は電車の減少により同6.6%減の311億円,輸出はアメリカ向け電車の大幅増等により同370.1%増の653億円であった。

(3)　自動車保有車両数

　　59年度の自動車新車登録台数は,402万台,対前年度比1.0%減,軽自動車販売台数は149万台,同4.9%増となり,軽自動車の伸びが目立った。
　　一方,59年度末の自動車保有車両数は,4,636万台,対前年度末比4.0%増となった。このうち,自家用乗用車は2,477万台,同3.1%増,軽自動車は,1,104万台,同10.3%増,営業用貨物自動車は62万台,同4.7%増となった。
　　なお,四輪の軽自動車の台数は,60年2月末に1,002万台となり,初めて1,000万台を突破した。

(4)　登録ホテル及び旅館

　　59年末の登録ホテル及び旅館の軒数はそれぞれ499軒(対前年末比4.2%増),1,638軒(同0.5%増)となり,総客室数は91,412室(同6.8%増),88,433室(同2.5%増)となった。